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網膜剥離からの回復日記

40歳目前にして網膜剥離に罹患した、とある開業医の独り言

嵐のあとで

時間は誰にも平等に流れてゆく。


40の声をきいて

わたし自身の肌に、髪に、関節に

隠しようもなく

若い頃との違いが如実にあらわれている。

艶が減ったり回復が遅れたり

いわゆる加齢というものを感じることも増えてきた。


実家に帰るたび、

両親と接していると

自分自身を見つめるとき以上に強烈に、時の流れを感じざるを得ない。


「老人」というカテゴリーに入ってきた彼らは

思うように動かなくなりつつある身体と

少しずつ少しずつ、回転の鈍りはじめた頭と

諸々の不安や苦労を抱えながら

それでも、歳を重ねたわたしを

いつまでも娘として慈しんでくれる。


ありがたいなあと思う。

そして、こんなささやかな幸せな時間が

あと何年残されているのだろう、

そんなこともぼんやり考える。


いつまでも、みんな

若くて元気なままで

ずっと仲良く暮らせたら良いのに。


不可能なのはわかっているくせに

そんな馬鹿げた思いがこみ上げる。


健康も、円満も、幸せも

決して永遠には続かない。


そんなことを考えていたここ数日。

久しぶりに病気の夢をみた。

二度めの手術から、一年と半分が過ぎた。


もう一年半というべきか、まだ一年半というべきか。


網膜剥離はちゃんと治って

日常生活の中で病気を意識することはほとんどなくなった。


健康を取り戻したと信じているけれど

それがいつまで続くのかは誰にもわからない。


なにか現状にか取り立てて大きな不満があるわけではないけれど

未来に対する漠然とした不安が、なんだか強い今日この頃。



なんでこんなにグルグル考えているかといえば

思いあたる理由はただひとつ、

保険の見直しを始めて

ライフプランやらマネープランやらを細かく気にしているからだ。


いつかは、ちゃんと向き合わなきゃいけないことなのに

ずっとずっと避けてきた。


未来とか老後とかに気持ちが向くのは、ある意味回復あってのことなのだけれど

未来の安心のための保険のことを考えた結果として

こんなに情緒不安定になるのは

なんだか本末転倒だよねえ…。